カメラと父の思いで

2021.1.7更新

▲カメラを始めたのは、小学校の頃、亡父のドイツ製のWelta Perleというジャバラ式のセミ版を持ち出して、撮っていた。
亡父の研究室の暗室で、お弟子さんに教えてもらい、モノクロ現像焼き付けを自分でやった。
今から思えば、環境がすばらしく良かった。
亡父が、欧米出張の折り、ドイツで、コンタックスUaとバルナック型のライカの2台を買ってきた。
『おい亨(あきら)おまえの好きな方を残すから選べ。1台は友人に渡す約束だ。』
そのころ、カメラに対する知識不足で、コンタックスUaを選んだ。今にして思えばライカを選べば良かったが。
レンズはゾナー50mm/1.5、バイヨネットのワンタッチマウント。
ファインダーは、距離計組み込みの1ファインダー。(ライカは距離計とビューファインダーの2ファインダーであった)
シャッターダイヤルは、1軸式で1/1000の高速シャッター。
フィルム交換は、裏蓋開閉式で簡単。
全ての面でコンタックスUaゾナー50mm/1.5付きはライカより優れていると思った。
なによりも、あのネズミが走ると言われた、金属鎧戸の縦走りうシャッターの『カシャッ』という音と感触は、僕を魅了した。
それに、カールツアイス ゾナー50mmF-1.5の抜けるような透明さは、長崎の海の透明感と深さにも似た美しさを感じた。
しかし、その後ライカは、進化し続け、M3の登場とともに近代化に追従し、今も生き続ける。

▲大学生活で上京し、自分のカメラが欲しく、その頃は35mmのライカ版よりはフィルムサイズの大きな40mm×40mmのPrimoJrなる2眼レフを購入した。

▲就職して、ハーフサイズのオリンパスPenWideでスナップを撮っていたが、子供の誕生を機に、
先輩にやはりカメラ好きがいて、CANON XLを中古で譲ってもらい、レンズはニコン50mmF2、キャノン100mmF4、キャノン28mmF2.8を求めて楽しんだ。いつしかライカ系統になった。

▲しばらくは、レンジ式カメラキャノン系統で楽しんではいたが、パララックスのない1眼レフが欲しくて、亡き父から貰ったコンタックスUaを下取りに出して、
ニコマートのボディNikomartを中古で購入、タムロンのズーム(70mm〜210mm)をつけて楽しんだ。
威力はすばらしく、子供の運動会や試合の撮影は、レンジ式カメラでは到達できない世界を手に入れた。

▲家内の父がドイツ洋行時に求めたライカM3ズミクロン50mmF2を使わずに大切に保管してあのを知って、拝借の前提で使わしてもらっていたが、
普通に使いこなすには恐れ多く出番は少なかった。
メガネズミクロン35mmF2を中古で求めて使ったが描写がすばらしくヨーロッッパ観光旅行時の撮影映像は、記念すべき物だ。

▲定年を機に、定年退職記念品をと後輩がライカM6とズミクロン90mmF2とエルマリート28mmF2.8をプレゼントしてくれた。

▲時代はデジタル時代に変遷し、1眼レフ系はニコンレンズがたまったもので、ニコンFマウントのボディとして比較的安価なFujifilmのFinePixS1Proを求めた。
続いてFujifilmはFinePixS3Proに変更し、更にニコンレンズのAiレンズでA(オート)撮影可能なニコンD2Hを中古で求めた。
スナップ用には描写の良いRICHOのGR-dijitalを愛用している。

▲フィルム時代は去り、あこがれのライカM6とライツレンズの組み合わせも、写りの結果が現像してみるまで解らないもどかしさ。
先日の同窓会で集合写真を室内で試みたが、露光失敗でみんなの顔が暗くて残念な思いをした。
そこで、ライツのレンズは残しつつ、マウント可能なボディーとして、富士フィルムのX-E1を調達した。
しかし撮像素子がAPS-Cの為に焦点距離が35mm換算で1.5倍になる。28mmレンズは42mm相当になる。
エルマリート28mmF2.8を装着しての画像はライツの魅力を表現してくれない。やはりフィルム時代のレンズなのか。
X-E1専用のFujinon27mm/2.8の方が描写が良いくらい。

▲一眼レフはニコンシステムで通してきたので、交換レンズがたまってしまった。
焦点距離を35mmそのままで使用したく撮像素子がフルサイズの普及版ボディD700を調達した。
28mmレンズがそのまま使えるのがありがたい。特にアオリの聴くPCNikkor28mmが使えてよい。

▲スナップ用には描写の良いRICHOのGR-dijitalを愛用していたが、SIGMA DP-1xを調達。
撮像素子が20.7mm×13.8mmと大きく、FoveonX3ダイレクトイメージセンサー搭載による発色の良さに期待した。
結果は、リコーともニコンとも異なる色調が魅力的である。

▲スナップ用にRICHOのGR(APS-C)を調達、RICHOのGR-dijital、SIGMA DP-1xを処分、スナップ用のカメラを整理した。

▲ついに、ライカM3ボディーを処分。義父の遺品として記念に残しておいたがもはやフィルム撮影にこだわらない。現金化してデジタルカメラ調達の原資にする。
但し、summicron50mmF2(沈銅)は記念に残してある。富士フィルムのX-E1にマウントアダプターを利用して撮影は可能。

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